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けいれん発作が起きたら飼い主がすべきこと

周囲の安全確保、時間を計る、動画撮影、救急に行く目安

くつろいでいた愛犬が突然倒れ、手足をばたつかせ始めたら、多くの飼い主さんは頭が真っ白になるでしょう。けいれん発作は見ている側にとって非常に怖いものですが、飼い主が落ち着いて行動することで、ペットのけがを防ぎ、獣医師に正確な情報を届けることができます。

けいれんとてんかんの違い
  • けいれん(痙攣): 自分の意思とは無関係に、筋肉が急激に収縮・弛緩を繰り返す症状です。脳の異常だけでなく、高熱、低血糖、電解質異常、脳卒中など様々な原因で起きます。
  • てんかん(癲癇): 脳の神経細胞が過剰な電気的興奮を起こすことで、けいれんや意識障害などの発作を慢性的に繰り返す病気です。

発作中にまずすること:周囲の安全確保

発作中のペットは意識がなく、自分の体をコントロールできません。いちばん大切なのは、ぶつかったり落ちたりしてけがをしないよう、まわりの環境を整えることです。

  • 家具の角や倒れやすい物、ほかのペットを遠ざける
  • ソファや階段の近くにいる場合は、落下に注意する(無理に抱き上げない)
  • 体を押さえつけたり、大声で呼びかけて止めようとしたりしない
  • 照明を落とし、テレビを消すなど刺激を減らす

口に手を入れてはいけない理由

「舌をかまないように」「舌がのどに詰まらないように」と口に手や物を入れようとする方がいますが、これは避けてください。米国イリノイ大学獣医学部の解説では、犬が発作中に自分の舌で窒息することはないとされています。発作中は無意識に強くかむことがあり、飼い主が大けがをするおそれがあります。発作が終わった直後も、ぼんやりしていたり興奮していたりしてかみつくことがあるため、顔の近くに手を出さないようにしましょう。

時間を計り、動画を撮る

安全を確保したら、時計やスマートフォンで発作の開始時刻と長さを記録します。発作中の数十秒はとても長く感じるため、感覚ではなく実際に計ることが大切です。可能であれば動画も撮影しましょう。米国獣医師会(AVMA)の飼い主向け資料や米国コーネル大学獣医学部も、発作の様子を撮影して獣医師に見せることを勧めています。動画は、それが本当にてんかん発作なのか、ほかの病気による症状なのかを見分ける手がかりになります。発作の前に何をしていたか、何か口にした可能性がないかもメモしておくと役立ちます。撮影は安全確保を優先したうえで、家族がいれば役割を分担すると落ち着いて対応できます。

すぐに動物病院へ行くべき目安

獣医神経科医らでつくる国際獣医てんかんタスクフォース(IVETF)は、2015年に発表した合意声明(BMC Veterinary Research掲載)で、てんかんの用語を整理しました。その中で、発作が5分を超えて続く状態や、意識が戻らないまま発作をくり返す状態を「てんかん重積状態」、24時間以内に2回以上の発作が起こることを「群発発作」と定義しています。どちらも命に関わる緊急事態とされています。

  • 発作が5分近く続いている、または止まらない
  • 発作が終わっても意識が戻らないうちに次の発作が始まる
  • 1日のうちに何度も発作が起きる
  • 初めての発作である、または中毒の可能性がある

これらに当てはまる場合は、すぐにかかりつけや夜間救急の動物病院へ連絡してください。資料によっては、2〜3分を超えたら早めに連絡するよう勧めているものもあります。短い発作で落ち着いた場合でも、発作後は体を冷やしすぎず静かな場所で休ませ、必ず獣医師に相談しましょう。応急対応は、動物病院で診察を受けるまでのつなぎです。

まとめ

けいれん発作が起きたら、周囲の安全を確保し、口には手を入れず、時間を計って動画を残すことが飼い主にできる大切な役割です。発作が5分近く続く、くり返すといった場合は、ためらわず動物病院へ向かいましょう。

いざという時に落ち着いて動けるかどうかは、知識だけでなく「一度でも体を動かして練習したことがあるか」で大きく変わります。ペットセーバー講習では、犬や猫の救命救急法や応急処置を、実技で身につけることができます。全国各地で開催していますので、開催情報からお近くの講習会をご覧ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。ペットの様子がおかしいときは自己判断せず、すぐにかかりつけの動物病院や夜間救急動物病院に連絡してください。

参考資料

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