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呼吸・心拍・体温 愛犬愛猫の「平常値」を知っておこう

欧米のペット応急処置講座で最初に教わる基本項目

バイタルサインの測り方と、普段の値を記録しておく意味 

「なんだか息が荒い気がする」「いつもより体が熱い?」と感じても、普段の様子を数字で知らなければ判断は難しいものです。体温・心拍数・呼吸数といった「バイタルサイン」を家で測れるようにしておくと、いざという時の大きな手がかりになります。

バイタルサインとは

バイタルサインとは、体温・心拍数・呼吸数など、生きている状態を表す基本的な指標のことです。具合が悪そうなときに動物病院へ電話をする場合も、「呼吸が速い気がする」より「寝ているときに1分間50回呼吸している」と伝えるほうが、獣医師は状況をつかみやすくなります。

犬と猫の平常値のめやす

獣医学の代表的な参考書である『メルク獣医マニュアル』では、成犬・成猫の安静時の値として次のような範囲が示されています。

  • 体温(直腸温):犬 約37.5〜39.2℃、猫 約38.1〜39.2℃
  • 心拍数(1分間):犬 約70〜120回、猫 約120〜140回
  • 呼吸数(1分間):犬 約18〜34回、猫 約16〜40回

ただし、これらはあくまでめやすです。資料によって範囲には違いがあり、たとえば犬の心拍数は体が小さいほど速い傾向があるとされています。年齢や体格、興奮・緊張、室温によっても値は変わります。大切なのは「一般的な範囲」よりも「その子のいつもの値」を知っておくことです。

家でできる測り方

呼吸数

眠っているときや落ち着いて休んでいるときに、胸が膨らんで縮む動きを「1回」と数えます。30秒数えて2倍にすると、1分間の呼吸数になります。猫の場合は、ゴロゴロと喉を鳴らしていないときに測りましょう。

心拍数

左の胸の、前足の肘が触れるあたりに手のひらを当てると鼓動を感じられます。後ろ足の内側の付け根に指2本をそっと当てて、脈を数える方法もあります。こちらも30秒数えて2倍にします。

体温

動物の体温は肛門で測るのが一般的です。短時間で測れるペット用の体温計を用意し、先端に潤滑剤をつけて、先端が隠れる程度にやさしく入れ、表示が出るまで動かさずに支えます。家族に体を支えてもらい、おやつで気をそらすと測りやすくなります。嫌がるときは無理をせず、かかりつけの動物病院でコツを教えてもらいましょう。

「いつもの値」を記録しておく意味

米国ミズーリ大学の動物病院は、心臓病の犬猫の飼い主に、眠っているときの呼吸数を自宅で記録することを勧めています。眠っているときの呼吸数がおおむね1分間に30〜35回未満であることを一つのめやすとし、普段より2〜3割多い状態が続く場合などは連絡するよう案内しています。大手動物病院グループVCAの解説でも、健康な犬猫の安静時の呼吸数は1分間に15〜30回程度で、30回を超える状態が続くときは相談するよう勧めています。

元気なときの値を知っていれば、こうした小さな変化に気づけます。記録するときは、次の点をメモしておくと比べやすくなります。

  • 日付と時刻
  • 測ったときの状態(寝ていた、散歩の後など)
  • 室温や季節

記録はノートでもスマートフォンのメモでも構いません。数値の記録があれば、受診したときにそのまま獣医師に見せることができます。また、普段から測り慣れておくことは、緊急時に落ち着いて動くための練習にもなります。

まとめ

体温・心拍数・呼吸数には一般的なめやすがありますが、個体差も大きいものです。元気なときに測って記録しておけば、「いつもと違う」に早く気づき、動物病院にも正確に伝えられます。

いざという時に落ち着いて動けるかどうかは、知識だけでなく「一度でも体を動かして練習したことがあるか」で大きく変わります。ペットセーバー講習では、犬や猫の救命救急法や応急処置を、実技で身につけることができます。全国各地で開催していますので、開催情報からお近くの講習会をご覧ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。ペットの様子がおかしいときは自己判断せず、すぐにかかりつけの動物病院や夜間救急動物病院に連絡してください。

参考資料

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