ペットセーバーの講習内容を盗用した講習会にご注意ください!

犬と猫の心肺蘇生(CPR)、いざという時の手順

犬や猫が倒れて呼吸がないとき、飼い主ができる心肺蘇生(CPR)の手順を解説。米国の獣医CPRガイドラインRECOVER(2024年改訂)にもとづき、意識・呼吸の確認、体型別の胸部圧迫の位置とテンポ、人工呼吸の方法を紹介します。

散歩中や家の中で、愛犬・愛猫が急に倒れて動かなくなったら、どうすればよいでしょうか。動物病院に着くまでの数分間に飼い主ができることの一つが、心肺蘇生(CPR)です。ここでは、獣医療の国際的なガイドラインをもとに、基本の手順を紹介します。

犬猫のCPRガイドライン「RECOVER」とは

米国では2012年、獣医救急・集中治療の専門家が集まる「RECOVER」というプロジェクトが、犬と猫のCPRについて初めて科学的根拠にもとづくガイドラインをまとめました。2024年には改訂版が公表され、「質の高い胸部圧迫を、できるだけ中断せずに続けること」が引き続き最も重視されています。ただし、犬猫のCPRの研究はまだ少なく、推奨の多くは専門家の意見にもとづくものとされています。以下は、その内容を一般の飼い主向けにまとめたものです。

まずは安全確認と、意識・呼吸のチェック

  1. 周りの安全を確かめます。意識が戻りかけた瞬間などに咬まれることもあるため、顔を口元に近づけすぎないようにします。
  2. 名前を呼び、体に軽く触れて反応があるかを見ます。
  3. 胸やおなかが上下しているかを見て、呼吸を確認します。
  4. 口を開けて舌を軽く前に引き出し、のどに物が詰まっていないかを見ます。

反応がなく、普段どおりの呼吸もない場合にCPRを始めます。周りに人がいれば、動物病院への連絡を頼みましょう。反応や呼吸がある動物には胸部圧迫を行いません。

胸部圧迫の位置とテンポ

犬も猫も、基本は横向きに寝かせます。2024年版では、ブルドッグのように胸の幅が広い犬も、まずは横向きで胸のいちばん幅の広い部分を押すことが提案されています(仰向けでの圧迫は、病院で気管に管を入れた後などに検討されるものです)。

体型ごとの手の位置

  • 胸が丸い中・大型犬(ラブラドール・レトリーバーなど):胸のいちばん幅の広い部分
  • 胸が深く幅の狭い犬(グレーハウンドなど):心臓の真上。前足の付け根(わきの下)のすぐ後ろあたり
  • 猫や小型犬:片手で胸を包むように持ち、親指とほかの指ではさんで押す。または両手で胸を包み、両方の親指で心臓の上を押す

中・大型犬では両手の付け根を重ね、肘をまっすぐ伸ばして真上から押します。

テンポと深さ

  • 1分間に100〜120回のテンポで押す
  • 横向きの場合は、胸の幅の3分の1〜2分の1が沈むくらいの深さで押す
  • 押すたびに力を抜き、胸が元の高さまで戻るようにする(寄りかからない)

人工呼吸と「2分」の区切り

ガイドラインでは、口と鼻を覆うマスクと蘇生用バッグでの換気が勧められていますが、家庭にはまずありません。その場合に飼い主が行うのが、鼻から息を吹き込む方法です。片手で口をしっかり閉じ、首を伸ばして頭と背中が一直線になるようにし、鼻を自分の口で覆って、胸が軽く上がるのが見える程度に吹き込みます。

一人で行う場合は「胸部圧迫30回→人工呼吸2回」を繰り返す方法が、米国獣医師会(AVMA)の飼い主向け資料などで紹介されています。二人いれば、一人が圧迫を続け、もう一人が1分間に10回ほど息を吹き込みます。約2分を1サイクルとし、区切りで呼吸や動きを短く確認します。交代できる人がいれば2分ごとに押す人を代わると、疲れによる圧迫の質の低下を防げます。

吐いた物がある、感染症が心配など、口をつけるのが危険な場面では、無理をせず胸部圧迫だけを続けることもガイドラインで認められています。

動物病院へつなぐために

CPRは、あくまで動物病院に着くまでの「つなぎ」です。手当てを尽くしても助からないこともありますが、その場で行動することが命をつなぐ可能性を残します。病院には事前に電話で状況を伝え、移動中も可能であれば圧迫を続けましょう。かかりつけ医と夜間救急動物病院の連絡先は、すぐ見られる場所に控えておくと安心です。

まとめ

反応と呼吸がなければ、体型に合った位置を1分間に100〜120回のテンポで押し、30回ごとに2回の人工呼吸を行います。CPRは病院までのつなぎであり、何より早く動物病院へ連絡することが大切です。

いざという時に落ち着いて動けるかどうかは、知識だけでなく「一度でも体を動かして練習したことがあるか」で大きく変わります。ペットセーバー講習では、犬や猫の救命救急法や応急処置を、実技で身につけることができます。全国各地で開催していますので、開催情報からお近くの講習会をご覧ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。ペットの様子がおかしいときは自己判断せず、すぐにかかりつけの動物病院や夜間救急動物病院に連絡してください。

参考資料

This site is protected by reCAPTCHA and the GooglePrivacy Policy and Terms of Service apply.
よかったらシェアしてくださいね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!